人気おすすめのPLフィルター10選【写真をより鮮やかに】
自分の写真撮影をワンランクアップさせてみませんか。「もっと締まりのある青空にしたい」「もっと透明感のある風景写真にしたい」、そんな希望をPLフィルターは叶えてくれます。カメラ撮影に少し慣れてきたきた方におすすめ、今人気のPLフィルターで写真の世界を広げましょう。
最終更新日2020.12.30
PLフィルターとは?
PLフィルターとは、偏光フイルターとも呼ばれていて、空気中の塵や水分による光の乱反射や、水面やガラスでの光の反射をコントロールして、写真を色鮮やかに写すことができる風景写真には欠かせないフィルターです。
PLとは「Polarized Light」の略で、偏光膜に光を通すことで、光の反射をコントロールして、撮影後に行う画像編集などの加工では得られない色彩コントラストなどを高めることができます。少し写真撮影に慣れてきて、もっと綺麗な写真を撮りたいという方には欠かせないアイテムです。
PLフィルターの寿命は何年?
PLフィルターのいちばん大事な部分である偏光膜は熱と紫外線に弱く、保管に気を遣う必要があります。直射日光に当てたまま長い時間放置したり、温度が60°以上になるようなところに保管したりすると劣化が早く進み寿命が短くなります。
劣化の確認は、真っ白な紙の上にフィルターを置きます。黄色っぽく見えたら交換を考えましょう。そのまま使い続けると色が濁った写真になってしまいます。長くても7~8年、使う回数が多ければ2~3年が寿命だと言われています。
PLフィルターの効果
PLフィルターは被写体が持つ本来の色を表現することができるフィルターです。使い方によって様々な効果を生み出すことができますが、ここでは、初心者でも上手に使えばすぐに効果を見ることができる、代表的なもの紹介します。
PLフィルターの効果①【色彩コントラスト効果】
青空の入った写真を撮った時、出来上った写真にその時の綺麗な青空が写っていますか?写った写真を見ると青空が白っぽくなってしまっていることがよくあります。
これは大気中にある埃や水分が太陽光を反射してしまうために起こる現象です。こんな時PLフィルターを使うと透き通った空の色を鮮やかに写し出すことができます。
同じことが風景写真でも言えます。遠くの山並みを撮った時に、霞がかかったような写真になってしまったりする時も、PLフィルターの出番です。山並みのコントラストがはっきりした、透き通ったような風景を撮ることができます。
PLフィルターの効果②【反射除去効果】
ガラス越しにショーウィンドウの中の写真を撮ろうとすると、ガラスが光ってしまったり、他の物が写り込んでしまったりした経験はどなたでもあると思います。そんな時の撮影はPLフィルターが得意とするところです。ガラスに反射した光を取り除き、中の被写体をクリアに写すことができます。
池や海の中を撮影する時も同じことが言えます。水の中が透けて見えることによって、水の透明感などを表現した写真を撮ることができます。また、草花・料理などの乱反射などを調整して写真を撮ると本来の色を鮮やかに描写できます。また、紅葉などもより艶やかな色で撮ることができます。
初めから効果を期待して撮影するのも良いですが、使ってみたら思わぬ効果があったというのも写真撮影の楽しみ方です。
PLフィルターのデメリット
PLフィルターには気を付けなければならないところもあります。特に初心者の方は注意が必要です。
デメリット①【光量が減少する】
PLフィルターは反射した光を取り除いているために、フィルターを通った光は元の光量よりも少なくなります。
従って写真を撮る時には、絞りを開ける、シャッタースピードを遅くする、ISO感度を上げるなどの対策をしなくてはなりません。また、薄暗い場所での撮影は手ぶれなどが置きてしまう可能性が高くなりますので、三脚が必要になることがあります。
絞りでは2~3段開け、シャッタースピードでは1~2段遅くする必要があります。PLフィルターには高透過タイプのフィルターもありますので、そちらを選択すれば普通タイプと比較して光量の変化は半分くらいで抑えることができます。反面価格は高くなります。
デメリット②【フレアやゴーストが起きやすくなる】
逆光やそれに近い状態で撮影するとレンズやカメラ内部で光が反射し、フレアやゴーストが起こりやすくなります。
同様に各種フィルターもフレアやゴーストの原因となります。コーティングなどでできるだけ出ないような対策がされていますが、反射率の高いフィルターではどうしても発生の確率が高くなります。特にPLフィルターは2枚のガラス板を光が通過しますので発生確率が更に高まります。
予算も考えながら、できる限り反射率の低いフィルターをおすすめします。また、必要のない時の着装はフィルター寿命を短くするとともに、余分なフレアやゴーストを発生させますので避けましょう。
デメリット③【レンズフードが付けられない】
PLフィルターは2枚のガラスの間に偏光膜があり、偏光膜と1枚のガラス板は自由に回転できるようになっています。レンズフードはフィルターを回転させると一緒に回転してしまうことになります。それ以前にフィルターを回転させることができません。
ほとんどの場合PLフィルターを使用する時はレンズフードを取り外して光の調整を行い、必要であれば調整後にもう一度フードを取り付けて使います。
PLフィルターの選び方
カメラ店に行くと、数多くのフィルターが並んでいて、PLフィルターでも何種類ものモデルが所狭しと並んでいます。その中から目的のものを選ぶために見るべきところを紹介します。
種類で選ぶ
PLフィルターには、C-PLフィルター(サーキュラーPLフィルター)というものもあります。その違いについて簡単に触れておきます。
PLフィルター
PLフィルターは偏光膜を2枚のガラスで挟んだ3層構造になっています。偏光膜には目に見えないようなスリットが入っていて、1枚のガラスとともにスリットの向きを変えることができるようになっています。スリットの向きを変えることにより、反射光がカメラに入る量を調節できるようになっています。
C-PLフィルター
C-PLフィルターはサーキュラーPLフィルターとも言われています。構造はPLフィルターと基本変わりません。違いは4層構造になっていて、偏光膜を通った光を更に1/4λ位相差板を通過させています。
1/4λ位相差板は、偏光膜で一定方向になった光の波を、元の自然の光に近い多方向の波に変えています。それによって一眼レフカメラのミラーに組み込まれたハーフミラーの機能との干渉を防いでいます。干渉を起こすとオートフォーカスが正常に動かなくなり、露出の狂いも発生してしまいます。
難しい話ですが、現在販売されているPLフィルターのほとんどはC-PLフィルターです。オートフォーカスのデジタルカメラを使ってみえる方はC-PLフィルターの一択です。
反射率で選ぶ
デメリットのところでも説明しましたが、PLフィルターの場合はゴーストやフレアを防ぐために、予算と相談しながら、多少価格が高くてもできるだけ反射率の低い製品を選ぶことをおすすめします。
また、反射率が低いということは、光がよく透過するということになり、写したいものの本物の色により近いものを再現することができるようになります。
フィルター径で選ぶ
PLフィルターに限らず、フィルターを選ぶ時に真っ先に選択しなくてはならないところです。必ずカメラのレンズ口径に合ったものから選びましょう。従ってレンズ口径が違うレンズにはそのレンズ用のフィルターが必要となります。
レンズ口径は、レンズの先端や側面にØ52(口径52mm)などと表記されています。
PLフィルターの人気メーカー
どこのカメラ店に言っても置いてある、フィルターを扱っている日本メーカーである、マルミ、ケンコー、ハクバの3社について紹介します。
マルミ(MARUMI)
マルミはマルミ光機株式会社の展開しているブランド名です。創業は1952年で、創業から現在に至るまでフィルターの専業メーカーとしての地位を築いています。1970年代までは欧州の海外メーカーのOEMを製造していましたが、1980年にMarumi(マルミ)ブランドを立ち上げた会社です。
機械量産ではなく貼り合わせ、研磨、洗浄、墨塗り、組み立て、検品など製造の様々な過程に職人の技が駆使されています。
ケンコー(Kenko)
ケンコーは株式会社ケンコー・トキナーのブランドです。1957に株式会社ケンコーとして創業し、2011年に株式会社トキナーと合併をして商号を株式会社ケンコー・トキナーに変更しました。
写真用品、光学製品、監視装置、交換レンズ、CCTVレンズ、X線撮影装置の開発・販売など行っています。レンズフィルターでは比較的安価なものから高級品まで幅広く取り揃えられています。フィルター製造・販売メーカーの最大手です。
ハクバ(HAKUBA)
1955年に三洋写真商会として創業し、1976年に現在のハクバ写真産業株式会社に社名変更し、現在に至っています。写真、映像、音響、OA、通信関連用品を手掛けている会社です。自社ブランド製品の企画・製造、海外メジャーブランドの輸入・販売、OEM商品の製造などを行っています。
写真撮影の初心者でも購入しやすい商品の品揃えが豊富なメーカーです。
PLフィルターのおすすめ10選
おすすめのPLフィルターを紹介します。価格等の比較がしやすいように口径58mmの製品で紹介します。
ケンコー ZX C-PL
ケンコー ZX C-PL
参考価格: 4,245円
反射率が0.3%と低く、最大で1絞り分しか暗くならず、ファインダーが明るく見やすいままでPL効果が得られます。シャッタースピード低下の影響も少なく、光量が少ない条件下でも使うことができます。
耐久性の高い撥水・撥油コーティングで、水や油を弾き、指紋などの汚れも簡単に拭き取ることができます。水辺での撮影や雨天時でもストレスなく撮影できます。
種類 | C-PL |
---|---|
反射率 | 0.3%以下 |
フィルター径 | 58m(49mm~95mm)) |
マルミ EXUS CIRCULAR P.L
マルミ EXUS CIRCULAR P.L
参考価格: 7,090円
高透過偏向膜採用のC-PLフィルターです。フィルター表面には撥水・防汚コーティングがされていて、雨の日や水場の近くでの撮影も気軽にでき、メンテナンスも楽になっています。また、帯電防止で、フィルターの埃もブロアーで簡単に吹き飛ばすことができます。
種類 | C-PL |
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反射率 | 0.6%以下 |
フィルター径 | 58mm |
ケンコー PL PRO1D
ケンコー PL PRO1D
参考価格: 5,300円
薄枠設計で、ワイドレンズでの使用も安心です。Kenkoのお手ごろ価格帯のC-PLフィルターで、安価でもハイクオリティーのものを探してみえる方にはおすすめの製品です。フィルムカメラでの使用もできます。
種類 | C-PL |
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反射率 | - |
フィルター径 | 58mm(37~82mm) |
マルミ光機 DHG サーキュラーP.L.D
マルミ光機 DHG サーキュラーP.L.D
参考価格: 1,800円
レンズ表面に、マルミ独自のコーティングが施されています。回転枠の操作性が向上するローレット加工、さらにフィルター枠は超薄型で、広角レンズから望遠レンズまでケラレにくい設計となっています。
高い撥水・防汚性能でメンテナンス性も高く、低価格で手に入りますので、安価で高性能なマルミC-PLフィルターを探してみえる方にはおすすめの製品です。
種類 | C-PL |
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反射率 | - |
フィルター径 | 58mm(52~82mm) |
Zeta EXサーキュラーPL
Zeta EXサーキュラーPL
参考価格: 5,180円
露出倍数が1.7~2.2倍で、暗くなり方を抑えたC-PLフィルターです。厚さ約6mmの薄型設計で、超広角レンズにも対応しています。PL効果の確認がしにくかった光量の少ない状況下での撮影や、F値の暗い高倍率ズームレンズの望遠側でもPL効果の確認が容易になっています。
種類 | C-PL |
---|---|
反射率 | 0.6%以下 |
フィルター径 | 58mm(49~82mm) |
K&F Concept KF01.1313
CPL フィルター 58mm
参考価格: 1,150円
日本製の光学ガラスが使われているC-PLフィルターです。マルチコーティングで、反射を減らし99.6%という高い透過率を実現しています。また、撥水加工で、軽く拭くだけで水滴を除去することができ、指紋や汚れも簡単に拭き取れます。
フレームはアルミ合金で、広角レンズでもケラレのない超薄型のフィルターになっています。
種類 | C-PL |
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反射率 | 0.4% |
フィルター径 | 58mm(40.5~82mm) |
ハクバ CF-SWCP58
ハクバ CF-SWCP58
参考価格: 2,000円
ガラスや水面の反射光を抑えたり、色本来の鮮やかさを際立たせたりすることができるPLフィルターです。 フィルター前部にあるリングを回転させ、効果を確認しながら撮影します。広角レンズでもケラレがおこりにくい薄型タイプのフィルターです。
種類 | C-PL |
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反射率 | - |
フィルター径 | 58mm |
ハクバ XC-PRO
ハクバ XC-PRO
参考価格: 2,980円
高性能プロフェッショナルC-PL フィルターです。撮影画像に悪影響を与えない0.6%の低反射率と水滴や汚れが付着しにくい撥水・防汚機能を兼ね備えたエクストリームコーティングが施されています。また、精密加工による薄枠設計・精密加工でケラレの少ないワイドレンズ対応となっています。
種類 | C-PL |
---|---|
反射率 | 0.6% |
フィルター径 | 58mm(37~82mm) |
おすすめPLフィルター⑨Nikon 円偏光フィルターII
Nikon 円偏光フィルターII
Nikon 円偏光フィルターII
参考価格: 11,800円
NikonのFマウントレンズにに適正化されたNikon純正のC-PLフィルターです。NIKKOR AFカメラ用に開発され、正確な測距や測光が可能となっています。MFカメラにも使用可能です。
両面マルチコートで、表面反射を抑えゴーストの低減が図られています。円偏光フィルターIIの専用フードは必要が無く、レンズ本体のフードが使用出来ます。
種類 | C-PL |
---|---|
反射率 | - |
フィルター径 | 58mm(52~95mm)) |
MARUMI 偏光フィルター 201094
MARUMI 偏光フィルター 201094
参考価格: 1,271円
PLフィルターでは珍しい、フィルム一眼レフカメラ用のPLフィルターです。デジタル一眼レフカメラには対応していませんので、注意が必要です。
種類 | PL |
---|---|
反射率 | - |
フィルター径 | 58mm(40.5~77mm) |
PLフィルターおすすめ一覧比較表
商品 | ||||||||||
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商品名 | ケンコー ZX C-PL | マルミ EXUS CIRCULAR P.L | ケンコー PL PRO1D | マルミ光機 DHG サーキュラーP.L.D | Zeta EXサーキュラーPL | CPL フィルター 58mm | ハクバ CF-SWCP58 | ハクバ XC-PRO | Nikon 円偏光フィルターII | MARUMI 偏光フィルター 201094 |
価格 | 4,245円 | 7,090円 | 5,300円 | 1,800円 | 5,180円 | 1,150円 | 2,000円 | 2,980円 | 11,800円 | 1,271円 |
種類 | C-PL | C-PL | C-PL | C-PL | C-PL | C-PL | C-PL | C-PL | C-PL | PL |
反射率 | 0.3%以下 | 0.6%以下 | - | - | 0.6%以下 | 0.4% | - | 0.6% | - | - |
フィルター径 | 58m(49mm~95mm)) | 58mm | 58mm(37~82mm) | 58mm(52~82mm) | 58mm(49~82mm) | 58mm(40.5~82mm) | 58mm | 58mm(37~82mm) | 58mm(52~95mm)) | 58mm(40.5~77mm) |
商品リンク |
PLフィルターの使い方
PLフィルターはカメラに着装しただけでは効果が得られません。ファインダーを覗きながら、または液晶画面を見ながら、PLフィルターの前枠を回転させ、画面を調整します。
使い方①【青空をより濃く鮮やかに写す】
太陽と被写体との位置関係が重要になります。カメラの向き(光軸)に対して太陽が直角になっている時が一番効果を発揮します。ちょうど自分の影が右側が左側に来る位置関係です。青空と白い雲、真夏のビーチと海と青空と雲などを撮影する時には多少発色がオーバーになるくらいで調節すると訴える力のある写真になります。
使い方②【水面や植物の葉の反射を取り除く】
平面(水の場合は水平面、ガラスの場合はガラス面)に対して30°から40°の角度を持って写すと最も効果が出ます。回転枠を回しファインダーや液晶画面で自分の期待する効果が得られるところを探します。
例えば水の中の鯉を撮るときでも、完全に反射光を取り除いてしまうと水の感じが失われ、でき上った写真は違和感のあるものになってしまいます。多少水に反射した写真のほうがより自然な感じなります。
使い方③【虹を綺麗に撮る】
虹は太陽の光が空気中の水滴に当たり、光が屈折や反射する時に七色に分解され起こっています。そこで、PLフィルターをつけて、普通とは逆に一番効果が少ない位置にリングを調節することによって反射した光を取り入れ、虹を鮮やかに写すことができます。
PLフィルターは一般的には反射光を取り除くような利用の仕方をしますが、虹の撮影のように逆に反射光が増えたような撮し方もできます。
まとめ
PLフィルターは写真撮影初心者の方で、少し慣れてきた方から上級者の方に人気の高い製品です。今までとは違った色鮮かで透き通った映像を簡単に撮ることができます。
使う機会は、真夏の海、秋の紅葉、冬の雪山、春の新緑などの風景写真から料理、草花などの撮影まで数多くあります。PLフィルターひとつで新しい写真の世界を広げましょう。