Thunderbolt3対応eGPU・外付けGPUボックス人気10選【AKiTiO】
Thunderbolt3対応eGPU・外付けGPUボックスは、従来、3Dゲームや高画質映像を楽しむことが困難だったノートPCユーザーなどに、新たな体験を与えてくれる超便利機器です。Thunderbolt3規格の特徴に加え、2020年のおすすめ製品を紹介します。
最終更新日2020.12.29
Thunderbolt3対応eGPU・外付けGPUボックスとは
Thunderbolt3を使ったeGPU・外付けGPUボックスが人気を集めています。Amazonや楽天市場などでの取り扱い商品も増えています。eGPUのメリットは、さまざまな制約からグラフィックス性能の向上を図れなかったPCにおいて、性能の高速化を実現できることです。
その魅力を解説する前に、まず、Thunderbolt3という規格について述べていきます。
Thunderbolt3とは
Thunderbolt3(サンダーボルト3)は、インテルとアップルが共同開発した、データ伝送のための規格です。Thunderbolt 1は2011年、アップル製品に初めて搭載され、当時はMini DisplayPortと同じ形状でした。
Windows PCで普及し始めたのは、規格がThunderbolt3となった後、2017、2018年頃からです。普及を後押ししたのが、eスポーツで注目を集めた「eGPU(外付けGPUボックス)」です。ポートの形状も変わり、UCB Type-C(3.1)と同じになりました。
Thunderbolt3の利点とは
Thunderbolt3を使ってた接続では、データ転送速度がダントツに速くなります。USB3.1が10Gbpsであるのに対し、Thunderbolt3は理論値でその4倍の40Gbps。映像出力も、USB3.1は4K映像1面だけに対し、5K映像x1、または4K映像x2の出力が可能です。
eGPUには、NVIDIAやAMD製の高性能グラフィックスカード(GPU)が格納されます。これとPCを接続し、映像を高速転送することで、PCのグラフィックス機能を飛躍的に強化できるわけです。
Thunderbolt3対応eGPU・外付けGPUボックスのメリット
スリムタイプのデスクトップPCやノートPCでは、機体内のスペースや電源容量の不足、CPU内蔵グラフィックスによって、GPUの増設、あるいは交換は不可能でした。
eGPUは、こうした問題を解決してくれます。メールチェックなど、高いグラフィックス性能を必要としないときは取り外しておけますし、1つのeGPUを複数のPCで共有することも可能です。GPUの交換が可能な製品では、将来的アップグレードもできます。
eGPUは、eスポーツやバーチャルリアリティ (VR)ヘッドセットユーザー、ビデオ映像や大量のデジカメ画像を編集するユーザーに適しています。
Thunderbolt3対応eGPU・外付けGPUボックスの選び方
次にeGPUの選び方を解説しますが、Thunderbolt 3をサポートしていることは必須の条件です。Thunderbolt 3とUSB Type-Cの端子は同じ形状ですが、両規格は同一ではありません。自分のPCがThunderbolt 3に対応しているかどうか、確認しましょう。
GPUが付属するかどうかチェック
最大のポイントは、GPUが付属するか、別売りかという点です。付属モデルは、ケースとGPUを同時に購入することになりますので、手軽にeGPUを導入したいユーザーに向いています。動作も保証されていますので、より安心です。
別売りモデルは、何かの事情で手元にあるGPUを利用することができますし、将来的なアップグレードも保証されています。また、自分でGPUを自由に選べるため、マニアにはこちらが適しています。ただ、GPUの動作が保証されていないケースがあることにも注意が必要です。
GPUの交換が可能かどうかチェック
GPU付属モデルを購入する場合、交換が可能かどうかをチェックすることは必須です。GPUはPCパーツのなかでも進化が早い分野の一つなので、ハイエンドGPUもすぐに「ローエンド化」してしまいます。GPU交換モデルの方が、長期に使用することができます。
また、GPUの交換が可能であっても、電源容量という制約があることを忘れてはなりません。電源容量を超えるGPUにアップグレードすることはできませんので、容量に余裕がある製品を選びましょう。
対応OSをチェック
Thunderbolt 3は新しい規格であり、所有するPCのOSに対応しているかどうかをチェックすることは欠かせません。「Windows 10だから大丈夫」というのは早計で、「RS4(バージョン1803)以降」など、細かなバージョンによって変わることがありますので、注意しましょう。
macOSも同様で、「High Sierra(10.13)以降」のような記載に注意し、自分の保有製品をあらかじめアップデートしておくことが重要です。なお、MacにおいてeGPUとして動作保証されているのは、AMD Radeon RXシリーズのみです。
その他、チェックすべきポイントは
その他、冷却性能や付属インターフェース、デザイン性やサイズ(設置スペース)などをチェックしましょう。いうまでもなく、価格は非常に重要です。
とくに冷却性能が低いと、GPUが熱暴走を起こしかねませんし、性能を発揮できません。一方、冷却がファン式の場合、騒音がうるさい場合がありますので、要注意です。
Thunderbolt3対応eGPU・外付けGPUボックスのおすすめ10選
いよいよ、2020年版、最新のおすすめのeGPU・外付けGPUボックスを紹介します。ぜひ、参考にしてください。
Razer Core X Chroma 外付けGPU
参考価格: 50,380円
Razerは、ゲーム用PC機器を開発しているメーカー。本製品は、LEDイルミネーションが採用された格好良いデザインの外付けGPUボックスです。ケースサイズも大きく、ほとんどのGPU(最大3スロットサイズまで)が格納可能です。
ケースはアルミ製で、放熱もしっかりできます。電源も700Wと非常に強力。AMD Radeon R9/RXシリーズ、NVIDIA GeForce RTX750以上と比較的広いGPUに対応します。
付属ポートも充実しており、USB 3.1のほか、1000Base-T(Gigabit Ethernet)が付属しています。Amazon、楽天市場両サイトで人気の製品です。
対応OS | Windows 10 RS4以降、macOS 10.13.4以降 |
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GPU | 別売り |
電源容量 | 700W |
付属インターフェース | USB 3.1x4、1000Base-T |
SONNET eGFX Breakaway Box 550 (Thunderbolt 3-to-eGPU PCIe Card Expansion System) # GPU-550W-TB3 ソネット テクノロジー (Apple製品関連アクセサリ)
参考価格: 44,380円
Sonnet Technologyは、Mac向けCPUアップグレードカードで知られるようになった企業で、現在はWindows向けを含む幅広い周辺機器を開発・販売しています。こちらも、Amazon、楽天で人気の製品です。
本製品は、8ピン補助電源を2基搭載、最大375WまでのNVIDIA、AMDの両GPUに対応します。サポートされているのは、NVIDIA GTX1060以降、AMD Radeon RX480以降です。
冷却は比較的静かな空冷式。12.0cmの水冷式クーラーもサポートしていますので、自己責任で取り付け可能です。87Wの給電にも対応します。
対応OS | Windows 10(64ビット)以降、macOS 10.12.6以降 |
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GPU | 別売り |
電源容量 | 550W |
付属インターフェース | - |
OWC Mercury Helios FX
参考価格: 60,500円
Mac、Windows両方をサポートする外付けGPUボックスで、ほとんどのGPU(375W以下)を利用できます。デザインはシックなブラックボックス型で、側面にスリットを有します。
ビデオキャプチャカードなど、GPU以外のPCI Expressカードの増設も可能で、この場合、対応はmacOS 10.12.6以降に広がります。Thunderbolt 3により、100Wの給電もサポートしています。
対応OS | Windows 10(64ビット)以降、macOS 10.13.4以降 |
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GPU | 別売り |
電源容量 | 650W |
付属インターフェース | - |
PowerColor Mini Pro AMD Radeon
参考価格: 69,800円
AMD Radeon RX570を搭載した、アミュレット製のMac向け外付けGPUボックスです。GPUの交換ができない分、簡単に導入できます。Mac miniやMacBookといった、グラフィックス性能の低い機種を強化できます。
ビデオメモリは8GBで、HDMIポートなど、映像出力ポートが5つ付属、このうち4つまでに4K品質で同時出力ができます。ただ、DVIポートを使用すると、他のポートへの出力ができないことがあります。
対応OS | macOS 10.13.4以降 |
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GPU | AMD Radeon RX570 |
電源容量 | - |
付属インターフェース | USB3.0x2、HDMIx2、DisplayPortx2、DVI-Dx1、1000base-T |
AKiTiO Node(500W) Thunderbolt 3対応 グラフィックボード専用 外付け拡張ボックス(macOS&Windows 10対応/アミュレットオリジナルマニュアル付き)
参考価格: 48,250円
奥行き32cmと十分なスペースを持つ外付けGPUボックスで、バックパネルでダブルワイドや2スロット占有タイプの大形グラフィックスカードを搭載できます。裏面にハンドルがあり、持ち運ぶ際には活用できます。
動作確認GPUは、メーカーサイトで確認できますが、AMD Radeon RXシリーズ、NVIDIA GeForce GTX1050Ti以上などです。ただ、Macでは、AMD Radeon RXシリーズのみとなっています。
対応OS | Windows 10以降、macOS 10.13.4以降 |
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GPU | 別売り |
電源容量 | 500W |
付属インターフェース | - |
GIGABYTE AORUS ゲームボックス RTX 2070 グラフィックカード GV-N2070IXEB-8GC eGPU
参考価格: 196,600円
GeForce RTX2070を内蔵した外付けGPUボックスです。GPUクロックは1620MHz、GDDR6メモリクロックは14000MHzで、メモリ容量は8GBです。
13.0cmの大型ファンを搭載して、冷却性も十分。4画面までの4K出力に対応しています。給電能力も100Wあります。付属のUSB3.0ポートは4つですが、うち1つは充電専用です。
GeForce RTX2070は単体で購入しても6万円以上するGPUですので、BOX価格は安いとは言えませんが、手軽に導入できる製品です。
対応OS | Windows 10以降 |
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GPU | GeForce RTX2070 |
電源容量 | - |
付属インターフェース | USB-C、USB3.0x4、HDMI、DisplayPortx3、DVI-Dx1 |
Dell ALIENWARE ゲーミングノートパソコン用 グラフィックボード外部拡張外付けボックス Alienware Graphics Amplifier 15Q41
参考価格: 43,552円
DELLのゲーミングブランド「Alienware」のeGPUです。デザインも同ブランドらしい、異次元テイストの特徴的なものとなっています。ロゴマークでもあるエイリアンヘッドが、好みのイルミネーションカラーで輝きます。
動作保証されているのは、Alienware13/15/17ノートPCのみで、デスクトップのゲーム専用機並みの性能を引き出すことができます。画面への出力は、ノートPC本体を含め3台までです。USB3.0ハブ機能もありますので、周辺機器を接続可能です。
対応OS | Windows 10以降 |
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GPU | 別売り |
電源容量 | 460W |
付属インターフェース | USB3.0x4 |
ASUSTeK XG STATION 外付けグラフィックカード ドック Thunderbolt3接続 ROG-XG-STATION-2
参考価格: 109,229円
マザーボード(メインボード)の最大OEMメーカーとして有名な、台湾のASUSTeK。本製品は、印象的なデザインの外付けGPUボックスで、LEDイルミネーションを採用しています。
本外付けGPUボックスでは、AMD Radeon R9/RX400以降、NVIDIA GeForce GTX900以降のGPUをサポートしています。カードの厚みは2.5スロット以内、長さ31.2cmまでです。
USB3.0、1000Base-Tといった付属ポートも充実しているので、マウスやキーボードなどの機器をつなぐことができます。
対応OS | Windows 10以降 |
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GPU | 別売り |
電源容量 | 600W |
付属インターフェース | USB 3.0x4、1000base-T |
GigabyteゲームボックスRX 580 8 GグラフィックカードegPu ( gv-rx580ixeb-8gd )
参考価格: 188,800円
AMD Radeon RX580を搭載した外付けGPUボックスです。GPUクロックは1355MHz、GDDR5メモリを8GB搭載、メモリクロックは8000MHzです。
AMD Radeon RX580は、GPUとしてはミドルレンジで3〜4万円の製品ですので、「ハイエンドまでは必要ない」というユーザーに適した製品といえます。
専用ソフト「AORUS GRAPHICS ENGINE」を使うことで、ワンクリックでオーバークロックなどの調整が可能なのがすぐれた点です。付属のUSB3.0ポートのうち1つは、充電専用です。
対応OS | Windows 10以降 |
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GPU | AMD Radeon RX580 |
電源容量 | - |
付属インターフェース | USB3.0x4、HDMI、DisplayPortx3 |
【国内正規品】AKiTiO Node Pro Thunderbolt 3 PCIe 拡張ボックス Thunderbolt 3 / PCIe/DisplayPort
参考価格: 53,350円
2020年3月に発売が開始された最新の外付けGPUボックスです。取っ手の付いた印象的なケースで、家庭内の持ち運びが簡単。側面はメッシュ式で、冷却性能を上げています。
長さ32cmまで、高さ17cmまでの、ダブル幅、フルレングス、フルハイトというさまざまなグラフィックスカードを搭載できます。最大85Wを電力供給が行えます。
2つ目のThunderboltポートは、Thunderboltによるデイジーチェーン、USB3.1、もしくはDisplayPortとして使用することが可能になっています。
対応OS | Windows 10(64ビット)以降、macOS 10.13.4以降 |
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GPU | 別売り |
電源容量 | 650W |
付属インターフェース | - |
Thunderbolt3対応eGPU・外付けGPUボックスの使い方・設定方法
まず、外付けGPUボックスとPCをケーブルで接続、必要なドライバをインストールします(GPUの付属マニュアルを参照してください)。
WIndowsPCでの設定法
Windows 10では「設定」→「システム」→「ディスプレイ」と選択します。画面の下の方の「グラフィックの設定」→「基本設定を指定するアプリを選択します」で、eGPUを使用するアプリが「クラシックアプリ」か「ユニバーサルアプリ」かを選びます。
通常は「クラシックアプリ」ですので、そこで表示された中からアプリを選び、「オプション」で「高パフォーマンス」を選びます。また、NVIDIAやAMDの専用設定コントロールパネルで、「3D設定の管理」→「グローバル設定」→「優先するグラフィックスプロセッサ」で「高パフォーマンスNVIDIAプロセッサ」を選びます(NVIDIAの場合)。
macOSでの設定法
macOSにおいては、アプリごとにeGPUの使用を設定します。Finderで、eGPUを使用したいアプリを選んで「情報を見る」パネルを表示させ、「外部GPUを優先」にチェックを入れます。eGPUが有効になっていない場合、このパネルは表示されません。設定は、アプリを終了させた状態で行います。
また、eGPUに接続したモニタをメインとして使用する場合は、「システム環境設定」→「ディスプレイ」の「配置」タブで、白いメニューバーをeGPUで接続されたモニタのところにドラッグします。
Thunderbolt3対応eGPU・外付けGPUボックスおすすめ一覧比較表
商品 | ||||||||||
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商品名 | Razer Core X Chroma 外付けGPU | SONNET eGFX Breakaway Box 550 (Thunderbolt 3-to-eGPU PCIe Card Expansion System) # GPU-550W-TB3 ソネット テクノロジー (Apple製品関連アクセサリ) | OWC Mercury Helios FX | PowerColor Mini Pro AMD Radeon | AKiTiO Node(500W) Thunderbolt 3対応 グラフィックボード専用 外付け拡張ボックス(macOS&Windows 10対応/アミュレットオリジナルマニュアル付き) | GIGABYTE AORUS ゲームボックス RTX 2070 グラフィックカード GV-N2070IXEB-8GC eGPU | Dell ALIENWARE ゲーミングノートパソコン用 グラフィックボード外部拡張外付けボックス Alienware Graphics Amplifier 15Q41 | ASUSTeK XG STATION 外付けグラフィックカード ドック Thunderbolt3接続 ROG-XG-STATION-2 | GigabyteゲームボックスRX 580 8 GグラフィックカードegPu ( gv-rx580ixeb-8gd ) | 【国内正規品】AKiTiO Node Pro Thunderbolt 3 PCIe 拡張ボックス Thunderbolt 3 / PCIe/DisplayPort |
価格 | 50,380円 | 44,380円 | 60,500円 | 69,800円 | 48,250円 | 196,600円 | 43,552円 | 109,229円 | 188,800円 | 53,350円 |
対応OS | Windows 10 RS4以降、macOS 10.13.4以降 | Windows 10(64ビット)以降、macOS 10.12.6以降 | Windows 10(64ビット)以降、macOS 10.13.4以降 | macOS 10.13.4以降 | Windows 10以降、macOS 10.13.4以降 | Windows 10以降 | Windows 10以降 | Windows 10以降 | Windows 10以降 | Windows 10(64ビット)以降、macOS 10.13.4以降 |
GPU | 別売り | 別売り | 別売り | AMD Radeon RX570 | 別売り | GeForce RTX2070 | 別売り | 別売り | AMD Radeon RX580 | 別売り |
電源容量 | 700W | 550W | 650W | - | 500W | - | 460W | 600W | - | 650W |
付属インターフェース | USB 3.1x4、1000Base-T | - | - | USB3.0x2、HDMIx2、DisplayPortx2、DVI-Dx1、1000base-T | - | USB-C、USB3.0x4、HDMI、DisplayPortx3、DVI-Dx1 | USB3.0x4 | USB 3.0x4、1000base-T | USB3.0x4、HDMI、DisplayPortx3 | - |
商品リンク |
Thunderbolt3対応eGPU・外付けGPUボックス人気10選・まとめ
以上、Thunderbolt3対応eGPU・外付けGPUボックスを紹介してきました。実は、Thunderbolt3対応外付けボックスには、グラフィックス以外のカードを増設することを前提にした製品もあります。
こうした製品では、ネットワークカードやビデオキャプチャカードを増設します。今回は、グラフィックスカードの増設が可能であると明記されている製品のみを紹介しました。
外付けGPUボックスは、ゲームや3D映像には「縁遠い」と思われていたノートPCやスリムデスクトップPCのユーザーに、新しい体験を与えてくれます。ただ、Thunderbolt3ポート自身が搭載されていないPCもまだありますから、メーカーの努力にも期待したいところです。
本記事が、Thunderbolt3対応eGPU・外付けGPUボックスの購入のお役に立てば幸いです。